経理業務のDX化

前回の記事では、労務管理のDX化についてご紹介しました。労務管理のDX化によって、従業員の勤怠管理や給与計算などが自動化され、業務効率化やミス防止につながることが分かりましたね。
さらに、経理業務のDX化は、労務管理と並んで企業において非常に重要な課題となっています。デジタルツールやDX技術の進化により、経理業務における課題への対処が大きく変化しました。買掛金の支払業務や経費精算の処理については、確認作業や集計作業、振込など意外と手作業が多くミスも起きやすいものでしたが、デジタルツールの導入により自動化・簡素化され業務負担がかなり解消されます。

経理業務のDX化といっても、まずはどこから手をつけていけばいいのか…と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、今回は「経費精算」「買掛金支払い」「給与計算」の3つの業務に焦点を当て、DX化について考えていきたいと思います。

1.経費精算
経費精算は、会社のいろいろな業務の中で、もっとも効率化が進まない業務の1つです。効率化されづらい理由は、大半の社員が経費精算に絡んでくるものの、申請作業の頻度は月に1〜2回程度なので、合理化が後回しにされがちなためです。つまり、月に1度くらいの作業であれば手作業であってもみんなで我慢すればいいや、という発想になるのです。
各社員が領収書を集めて確認したり、申請書に手書きで記入して計算機で集計して、あるいはWordやExcelに入力して紙に印刷して、申請書を上司に印鑑もらって、経理に回して、という業務が大半の会社で日常的に行われています。ところが、一人一人にとっては数十分程度の作業であっても、入力・確認・集計などの業務について経費精算業務に関わる社員すべての作業時間を積み上げていくと、案外馬鹿にならない無駄な時間=コストが発生してしまうのです。加えて、経費精算は「面倒くさい」ので、後回しにされがちな作業。外回りの多い営業部の社員のなかには、精算業務が遅れがちな人もいて、経理の月締めがいつまでたっても終わらない、という現象も起きがちです。 
こうした問題も経費精算システムを導入することでかなりの部分が解消されることから、経費精算のDX化が進んでいます。DX化によって、経費精算の入力作業や申請業務の負荷が改善され、効率化やコスト削減につながることが期待されています。
弊社でも以前は経費の精算を紙ベースで行っていました。申請は口頭で行われ、それを担当者が帳簿に手書きで記載し、経費のレシートは別の用紙に貼って保管されていました。精算も現金で都度支払いだったため、現金もこまめに管理しないといけなくなり、手間がかかり、ミスも度々発生していました。 このため「マネーフォワード経費」を導入してDX化を進めたところ、業務の効率化を実現することができました。マネーフォワード経費では、各個人がオンラインで簡単に申請することが出来ます。承認も担当者がオンラインでチェックを行うことができ、支払いまで自動化されるため、手作業にかかる時間と労力を削減できます。
また、レシートもオンライン上で管理するクラウドストレージを使用し、アップロードすることで、データで保管することが出来るようになりました。
こうしたことにより経費精算に関する業務時間は半分以上、削減することができました。

2.買掛金の支払い
買掛金の支払いは、請求書の確認や金額の計算、支払い処理など、さまざまな手間がかかるため、効率化すべき業務の一つです。
従来の買掛金支払いの業務は、請求書の確認、支払申請処理など、手作業で行う部分が多く、業務負担が大きいことが課題でした。電子帳簿保存法の施行や業務のDX化により、最近では請求書の電子化や買掛金管理システムの導入など、業務効率化を図る取り組みが進んでいます。
以前は、弊社でも買掛金支払いの業務は、請求書の到着を待ち、それを確認し、別の帳簿(買掛金台帳)に手作業で金額を記入し、計算し、支払い処理するという手順で行われており、手作業が必要だったため、請求書の確認や帳簿の記入、金額の計算には時間がかかりました。
こうした手書き業務や集計作業を省力化すべく「マネーフォワード債務支払」を導入したところ、請求書の確認、金額の計算や申請フローが自動化され、業務負担を大幅に軽減することが出来ました。手作業に比べてデジタルプロセスはエラーやミスが少ないため、正確性が高まります。また、請求書の金額計算や記録のヒューマンエラーも減少します。さらに、支払予定表や支払履歴の確認も簡単に行えるようになり、財務管理が効率的に行えるようになりました。

3.給与計算
給与計算は、企業の経理業務の中でも特に重要な業務の一つです。正確な給与計算は従業員の信頼を築き、組織の安定性を維持するために不可欠です。従業員の数が増えるにつれ、手作業による給与計算は複雑化し、ミスのリスクが高まります。そのため、給与計算のDX化も積極的に取り組まれています。
弊社では、かつて給与計算を専用の給与計算ソフトで行っていましたので、給与計算自体は合理化できていましたが、タイムカードからの転記作業、残業代や休日出勤の割り増し計算やチェックなど業務フローの全体を効率化するまでには至っていませんでした。
そこで、マネーフォワード給与を導入し、給与計算プロセスを大幅に効率化しました。このシステムでは、従業員の給与データを一元管理し、自動的に給与明細を生成します。前回の記事でご紹介していたマネーフォワード勤怠と連携すると、勤怠データを自動で給与に取り込めます。これにより、手入力作業が減り、残業代の計算ミスもなくなりました。
さらに、社会保険料や税金の変更に即座に対応できるため、法令順守も確保されます。従業員はオンラインで給与明細を確認できるので、ペーパーレス化も実現することができます(紙での給与明細が欲しい従業員は各自でプリントアウトすることができます)。
給与計算のDX化により、従業員と経理チームの負担が軽減され、ミスをするリスクも減少しました。また、給与計算ソフトと会計システムが連携することができますので、仕訳入力作業も省力化することができます。

このように、経費精算、買掛金支払い、給与計算のDX化によって、経理業務はマネーフォワード導入前と比べると大幅に効率化され、正確性が向上しました。これらのDXツールやシステムの導入は、業務のスムーズな運営とミスの最小化に大いに貢献しています。
今後もテクノロジーの進化に合わせて経理業務をさらに効率化し、より効果的な経営を目指していきたいと考えています。

DX化への取り組みは、経理業務の未来に向けた大切な一歩です。今後ますますその重要性が高まるでしょう。従来のスタイルを見直し、デジタルツールを上手に使うことで、経理業務の効率性と正確性を向上させ、ビジネスの成長をサポートしましょう。

当社はIT導入補助金支援事業者に登録しており、マネーフォワードクラウドもご紹介できる補助金対象ITツールのひとつです。マネーフォワードやDX化について詳しく知りたい方、導入を検討されたい方はどうぞお気軽にお問い合わせ下さい。

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