Windows Update の失敗:原因特定と解決策
Windows Update は、セキュリティ更新プログラムや機能追加など、PC を安全かつ快適に利用するために非常に重要なプロセスです。しかし、アップデートが正常に完了しない場合、様々な問題が発生する可能性があります。今回は、Windows Update が失敗する原因とその対処法について、エラーコード別に詳しく解説します。
症状の例
- アップデートのダウンロードが途中で止まる。
- アップデートのインストール中にエラーが発生し、進まなくなる。
- アップデート後、PC の動作が不安定になる。
- 「更新プログラムを構成できませんでした」というメッセージが表示される。
- 特定のアップデートが何度もインストールを試みられるが、毎回失敗する。
考えられる原因
- ディスク容量不足: アップデートに必要な十分な空き容量がない。
- ネットワークの問題: アップデートファイルのダウンロード中にネットワーク接続が中断される。
- Windows Update サービスの問題: Windows Update 関連のサービスが正常に動作していない。
- ドライバの互換性問題: 新しいアップデートと既存のドライバとの間に互換性の問題が発生する。
- システムファイルの破損: システムファイルが破損しているために、アップデートが正常にインストールできない。
- セキュリティソフトの影響: セキュリティソフトがアップデートのインストールを妨げている。
試すべき対処手順
- ディスク容量の確認と整理: C ドライブに十分な空き容量があるか確認し、不要なファイルを削除または移動します。「設定」アプリ > 「システム」 > 「ストレージ」で空き容量を確認できます。
- ネットワーク接続の確認: Wi-Fi 接続が安定しているか、有線 LAN 接続を試すなど、ネットワーク環境を確認します。
- Windows Update トラブルシューティングツールの実行: 「設定」アプリ > 「システム」 > 「トラブルシューティング」 > 「その他のトラブルシューティングツール」 > 「Windows Update」を選択し、トラブルシューティングツールを実行します。
- Windows Update サービスの再起動:
- 「Windows」キー + 「R」キーを押し、「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 「services.msc」と入力し、「OK」をクリックします。
- サービス一覧から「Windows Update」を探し、右クリックして「再起動」を選択します。
- 同様に、「Background Intelligent Transfer Service (BITS)」も再起動します。
- システムファイルチェッカー (SFC) の実行:
- 「Windows」キーを押し、「cmd」と入力します。
- 「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選択します。
- 「sfc /scannow」と入力し、Enter キーを押します。
- スキャンが完了するまで待ちます。
- DISM (Deployment Image Servicing and Management) ツールの実行:
- コマンドプロンプトを管理者として実行します。
- 以下のコマンドを順に実行します。
DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealthDISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealthDISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
- 各コマンドの実行が完了するまで待ちます。
- セキュリティソフトの一時的な無効化: セキュリティソフトがアップデートを妨げている可能性があるため、一時的に無効化してアップデートを試します。(アップデート後、必ず再度有効化してください。)
- 手動でのアップデート: Microsoft Update カタログから、該当するアップデートを手動でダウンロードしてインストールします。
特定のWindows Update エラーコードに対する対処
Windows Update 失敗時に表示されるエラーコードは、問題の原因を特定する手がかりとなります。代表的なエラーコードとその対処法を以下に示します。
- 0x80070002: システムが見つからないファイルを指している場合に発生。SFCスキャンまたはDISMツールを試してください。
- 0x800f0922: .NET Framework のインストールに関する問題を示唆。Windows の機能から.NET Framework を有効化または再インストールしてみてください。
- 0x80073712: コンポーネントストアが破損していることを示唆。DISMツールを実行して修復を試みます。
Windows Update 失敗後のロールバック
アップデート後に問題が発生した場合、以前の状態にロールバックすることができます。「設定」アプリ > 「システム」 > 「回復」 > 「復元」からシステムの復元を実行するか、「以前のバージョンに戻す」を選択します。ただし、ロールバックすると、アップデート以降にインストールしたアプリや設定が失われる可能性があることに注意してください。
やってはいけないこと
- アップデート中に PC の電源を切らない: アップデートが中断され、システムが破損する可能性があります。
- 信頼できないソースからアップデートファイルをダウンロードしない: マルウェア感染のリスクがあります。
データを守るための注意点
アップデート前に、重要なデータのバックアップを必ず行ってください。万が一、アップデートに失敗した場合でも、データを失うリスクを最小限に抑えることができます。




