その時は、突然やってきた。
BitLocker回復
「このドライブの回復キーを入力してください。」
お客様からの問い合わせで、突然パソコンが使えなくなったとのこと。
話を聞くと、特に設定を変更した覚えはなく、Windows Update後にこの画面になったようでした。BitLockerの回復キーを求められる現象が、Windows Updateの影響で発生することは知っていましたが、まさか身近で起こるとは思っていませんでした。
初期化・リセットはしたくない
お客様はパソコンの中に重要なデータがあるため、初期化やリセットはしたくないとのこと。まずは回復キーを探すことにしました。
BitLocker回復キーを探す
Microsoftのサポートページを参考に、以下の方法を試しました。
① Microsoftアカウントに保存されている可能性を確認
Microsoftアカウントにサインインし、BitLocker回復キーが保存されているか確認しました。しかし、「回復キーは存在しません」と表示され、手がかりが得られませんでした。
② コマンドプロンプトで確認
コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行しました。
「manage-bde.exe -protectors -get c:」
しかし、表示されたのは保護されているドライブのIDのみ。回復キー自体は取得できませんでした。
③ データの救出を試みる
重要なデータだけでも取り出せないか試みましたが、BitLockerで暗号化されているため、復旧は難しいと判断し断念しました。
別の選択肢を検討
お客様に回復キーが見つからない場合の選択肢を説明しました。
- 回復キーを探し続ける
- データをあきらめてPCを初期化する
「必要なデータはどのようなものですか?」と尋ねると、「業務で使用しているソフトのデータ」とのこと。
さらに詳しく聞くと、そのソフトは〇〇〇というWebブラウザー上で動作するシステムだったのです。
データ、実は不要だった!?
「それなら、別のPCからログインすれば大丈夫かもしれませんよ。」
別のPCでお客様のIDとパスワードを入力し、アクセスを試みると…
「これこれ!ありました!」
お客様はホッとした表情で、必要なデータがクラウド上にあることを確認しました。
まとめ:バックアップの重要性
今回は幸運にもデータがクラウド上に保存されていたため、大事には至りませんでした。しかし、BitLockerによる暗号化は一度発動してしまうと、回復キーなしではどうすることもできません。
重要なデータを守るために、以下の対策をおすすめします。
- 回復キーの確認・保存
BitLocker回復キーがどこに保存されているか確認し、控えておく。 - 定期的なバックアップ
重要なデータは、外部ストレージやクラウドにバックアップを取る。 - クラウドサービスの活用
可能な限り、クラウド上でデータを管理し、デバイスに依存しない環境を作る。
突然のトラブルに備えて、今一度バックアップの見直しをしてみてはいかがでしょうか?