とても広いテーマなので、ここではごく一部、自分の経験をもとにお話ししたいと思います。
高校生のときに初めて日本に興味を持った当時、ドイツではまだ日本食に対する認知度が低く、日本料理を食べたいと思っても、日本人が多く住むフランクフルトやデュッセルドルフのような大都市まで行かないと、レストランを見つけるのは難しい状況でした。また、アジア系スーパーも少なく、ラーメンや醤油などの食材を手に入れるのも大変でした。これはだいたい2005年〜2008年頃の話です。
それが今では、ドイツの一般的なスーパーでも醤油やインスタントラーメンなどが普通に手に入るようになり、食品の国際化が進んでいると実感します。ただ、餃子や寿司、豆腐なども時々見かけるものの、クオリティにはやや物足りなさを感じます。特に寿司は、新鮮な魚を安く仕入れるのが難しいため、仕方ない部分もありますね。
豆腐については、なぜか日本のような滑らかなものではなく、水分の少ないパサパサした「ベジタリアンソーセージ」のような食感のものが多いです。
では逆に、日本でドイツ料理はどうなのでしょうか?
まず「ドイツ料理」といえば、個人的にはやはりパンとソーセージが思い浮かびます。
ドイツパンについて、日本人の妻は「カチカチで、口の中を傷つけそうなくらい硬い」と言いますが、私にとっては「外はサクサク、中はふわふわ」な最高のパンです(笑)。熊本市の帯山にある「Biggi(ビッギ)」というドイツパン屋さんは本格的でおすすめです。
https://maps.app.goo.gl/7eyFitMjLB2ok9j26
ソーセージについては、日本では「シャウエッセン」のようなパリッとしたタイプが有名かもしれませんが、実は本場ドイツではあまり見かけません。主流なのはもっと太い「ブラートヴルスト(Bratwurst)」です。おすすめは、業務スーパーで冷凍で売っているドイツ風ソーセージをフライパンで焼いて食べることです。
上:業務スーパーのブラートヴルスト 下:Biggiのドイツパン
組み合わせが見事です。
また、日本でも最近はシリアルやグラノーラ、ミューズリーなどが手に入りやすくなりました。私が初めて日本に来た2008年頃は、こういった商品のバリエーションは少なく、ドイツの定番の朝食であるミューズリーはなかなか見つかりませんでした。
今ではパンもソーセージもミューズリーも比較的簡単に手に入るようになり、「これが日本にもあったらいいのに」と思うものはほとんどなくなりました。
ただ一つ、今でも日本で見かけないのが「ドネルケバブ」です。
「えっ、ドネルってトルコ料理じゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、それは正解です。とはいえ、ドイツにはトルコ系の人が多く、ドネルケバブ屋さんがどこにでもあります。ドイツでは日本のようなファミリーレストランが少なく、外食の選択肢も限られているため、ドネル屋さんの存在はとても重要です。
上:熊本の桜祭りで買ったドネル。下:ドイツで売ってるドネルのイメージです。
桜祭りでドネルの屋台がありました。お店の人に聞いたら、秋葉原でトルコ人のドネル・マイスターで学んだと言われました。