2008年、私はワーキングホリデービザで初めて日本に来ました。その時、東京の天王洲にある会社でインターンシップをすることになり、千葉県の船橋市に住むことにしました。船橋市から会社までは電車でおよそ1時間かかりました。当時はまだスマホにナビがついておらず、Googleマップも使えなかったので、初日の月曜日の1日前にアパートから会社まで電車で行ってみることにしました。もし初日に道に迷って遅刻したら恥ずかしいと思い、念のため道を確認しておこうと思ったのです。
その時、私は道に迷ってしまい、近くを歩いていたサラリーマンに道を尋ねました。それでもインターンシップの初日には、時間通りに会社に着くことができました。ただ、東京駅での乗り換えは避けて、別のルートを選びました。
同じ会社の社員で、船橋市の近くに住んでいた人が一緒に帰ってくれることになり、東京駅での乗り換え方法や、私が調べていたルートより少し速い帰り方を教えてくれました。帰りながら話しつつ、私はちゃんと道やホームを覚えようとしました。そして翌日、一人で帰ることになりました。
ところが、東京駅での乗り換えで非常に迷ってしまいました。京葉線か京浜東北線に乗るはずだったのですが、どこを歩いてもホームが見つかりませんでした。30分ほど駅の中をウロウロしていたところ、偶然同じ会社の人とすれ違い、また一緒に帰ることになりました。本当にラッキーな偶然でした。
その数年後、再び東京駅に行った時、あの時の迷った自分が信じられないと思いました。最初の頃はどうしてあんなにうまくいかなかったのかと思いました。乗り換えに迷ったこと以外にも、改札で定期券をピッとタッチする際に間違えてしまい、無事に入れたものの、出る時にブザーが鳴って止められました。また、グリーン車の意味を知らずにグリーン車に座ってしまい、スタッフに追い出されるという恥ずかしい経験もしました。色々と恥ずかしかった思い出です。
最近、外国の知り合いが日本に観光に来た際、ホテルの入り口のドアの開け方がわからなかったという話を聞きました。最初は「ドアのどこがそんなに開けづらいのだろう?」と思ったのですが、自分の東京駅での経験を思い出したとき、確かに外国に行くと、普段何気ないことでも大きな困難に感じることがあるんだな、と気づきました。
本記事のアイキャッチ画像:「Tokyo-STA Marunouchi-Entrance 2023」(作成者:Nanashinodensyaku)、ライセンス:CC BY-SA 4.0、出典:ウィキメディア・コモンズ